黒部川・上ノ廊下
日程:2008年8月10日(夜発)〜14日


 8月11日 晴天
8月11日八王子0:40発の夜行列車で信濃大町へ。信濃大町からタクシーで扇沢に到着(5時45分)。黒部ダムへのトロリーバスの平日始発の7時30分まで日向で体を温めながら待つ。7時50分に黒部ダムに到着。快晴である。

 8時5分、黒四ダムムから黒部湖に沿って平の渡しへ出発。湖岸の崩壊が進んでおり、湖へ流れ込む沢を渡る湖岸道は壊れそうな梯子の連続だった(上右写真)。 3時間45分程かかり、11時50分やっと平の渡しに到着。少し遅れて、別パーティ(ガイド゙3名、客5名)も到着。渡し船は12時過ぎに全員を乗せて対岸に向かった。

12時25分、対岸に着いてからも、梯子が多数出現。結構、バテそうな道である。ようやく15時55分に奥黒部ヒュッテ前の砂地の綺麗なテント場へ到着した。テント設営し、小屋で登山届けを出し、ビールを入手。皆で乾杯。

8月12日 晴天
 2日目、4時起床、6時20分出発(上右写真)。奥黒部ヒュッテ前のテント場から東沢経由で黒部川本流に入渓。熊ノ沢出合あたりまでは川原歩き。その後、膝あたりまでの渡渉を繰り返しながら下ノ黒ビンガへ近づく。水温は10度Cでかなり冷たい(下左写真)。下ノ黒ビンガ手前で一本目休憩(7時25分〜45分)。渡渉、へつりを続け、8時30分下ノ黒ビンガを通過。

 第1の核心部である口元ノタル沢ゴルジュの手前で二本目休憩(8時50分〜9時)、大きな雪渓が残っている。

 いよいよ、口元ノタル沢のゴルジュへ突入(下左写真)。胸までのへつりや、泳ぎながら、淵状の核心部へ近づく。(下右写真、核心部にてどう突破するか思案中。)

 淵状の核心部では、先行パーティのガイド1人が空身でザイルを引いて淵の右岸を泳ぎ切り、2人目のガイドは右岸の壁に張り付く。客5名はザイルに引かれてザイルピストン法で核心部を突破した。我々はKさんがザイルを引いて果敢に泳ぎ切り、ザイルでビレー。後続の5名は次々にザイルを頼って、突破。上陸地点の流れ(小滝)がきつく、流れの中の足場を見つけられないと這い上がるのに苦労。(下左写真)

口元ノタル沢ゴルジュを抜けた後、三本目休憩(10時30分〜45分)その後、旧黒五跡(広川原)へ進み(左写真)、廊下沢出合、スゴ沢出合を過ぎ、上ノ黒ビンガ手前で四本目休憩(11時30分〜40分)
 上ノ黒ビンガ(下左写真)では黒々とした絶壁が両岸から迫り、誰もいない渓流を我々だけが渡渉を繰り返し進んで行く。空は快晴。雪解け水が流れ込み水温は低かったが、全員上下のウエットスーツを着用しており、この頃になると渡渉にも慣れてきて、寒さも感じず、景観を楽しみながらの遡行となった。上ノ黒ビンガの最後に左岸から花崗岩の滝が流れ込んでいた(下右写真)。
 13時30分に金作谷出合の台地(2日目の幕営地)に到着した。テント設営後、早速濡れた体を乾かすべく、盛大に沢焚火を開始。焚火端で軽く晩酌しながら夕飯を食べ、20時に就寝。

8月13日 晴天
3日目、4:00起床、6:20出発。すぐに第2の核心部 金作谷先のゴルジュへ入る。
朝一からの泳ぎは辛い。再びKさんのザイル確保により、泳いで深みを突破。(下右写真)
その後も、泳ぎ、胸までの渡渉、へつり、岩登りと多彩である。途中、流されかけたりもしながら、全員無事にゴルジュ地帯を抜け、一本目休憩(8時18分〜30分)となった。

ゴルジュを抜け、暫くすると、また淵状の流れがあり(9時20分)、渡渉、岩登りなどして進み(上写真)、9時40分に岩苔小谷出合へ着き、二本目休憩(9時50分〜10時20分)

その後も柱状節理の岩床などを突破し11時に40Mナメ状の滝、立石奇岩に着いた。3本目休憩(11時〜20分)の後、河原歩きを続け、4本目休憩(12時30分〜45分)、その後右岸からE沢、D沢、C沢と合流して来て、13時40分頃、B沢出合で、左岸を少し登り、約5Mの懸垂下降を行った。(下左、中、写真)。B沢を過ぎ、A沢出合先の右岸の台地へ14時30分に着いた。(3日目幕営地)

右岸の台地には先行していたガイドパーティが既にテントを設営しており、我々はその少し上流に3天、4天を設営した。すぐ焚火を起こし、寛ぐ(上右写真)。渓流釣り組は早速、釣りに出掛けたが、昼過ぎでもあり、食つきが悪く、夕食での岩魚の塩焼きは見る事が出来なかった。一方、ガイドさん達は、意地でも釣る気迫で3-4時間釣り続け、数尾は揚げたようであった。その晩も沢焚火は好調で、21時の就寝まで続けた。

8月14日 午前 曇り時々小雨 昼過ぎから雷雨・土砂降り 夕方上がる
 4日目も4時起床、6時20分出発。薬師沢出合までは川沿いの登山道を行く。一時間程で7時25分薬師沢小屋に着く。薬師沢小屋は赤木沢入渓者などで賑わっていた。7時40分に薬師沢小屋を出て、太郎平へのなだらかな木道を行き、一本目休憩(8時40分〜55分)。
  途中、曇ってきて、2本目休憩(9時50分〜10時)をして、10j時45分小雨降る中、太郎平小屋に到着。太郎平からは高原の長閑な景色を下って行った(下右写真)が、13時頃から雷雨が始まり、折立登山口に着く頃には土砂降りとなった。14時30分に折立に到着。あいにく下りのバスは15時50分発、タクシーを呼んだが・・・。 集中豪雨の為、14時45分に林道ゲートが全て閉鎖され、暫くは通行止め、バスも出ないとの事。
我々は17:30まで待って、その後林道を徒歩で下る。1時間程歩いた所で、やっとタクシーに遭遇。そこから1時間40分程で、やっと富山駅前に着いた。20時10分になっていた。駅前で、一同、無事山行終了を祝い解散となった。

 【雑感】
中々行けない黒部川上ノ廊下遡行、晴天が続き全員無事に終了出来ました。事前の準備やパーティのメンバーに恵まれたおかげです。リーダー、パーティメンバーに感謝します。お天気にも感謝。


行動記録
8/11 0時40分 八王子発夜行列車⇒5時08分 信濃大町着⇒扇沢⇒7時50分黒部ダム着⇒11時50分平の渡し着⇒15時:55分奥黒部ヒュッテ着
8/12 6時20分 幕営地発 上ノ廊下入渓⇒8時:10分 下ノ黒ビンガ⇒10時10分口元のタル沢出合先のゴルジュを抜ける ⇒旧黒五跡⇒12:00上ノ黒ビンガ入口⇒13時40分 金作谷出合着
8/13 6時20分 幕営地発⇒6時:40分金作谷出合先のゴルジュ⇒9時:40分 岩苔小谷出合着⇒11時立石奇岩着⇒13時 E沢〜C沢⇒13時:40分 B沢の懸垂下降⇒14時20分 A沢出合先の台地着
8/14 6時20分 幕営地発⇒7時25分薬師沢出合着⇒10時:45分 太郎平小屋⇒14時:30分折立着⇒20時10分 富山着

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