’07春山合宿 杓子岳双子尾根

山 名

杓子岳、白馬岳、小蓮華岳、白馬乗鞍岳

山 域

北アルプス後立山連峰

日 時

200752(水)夜〜55日(土)

 

5/2(水)

天 候

晴れ

ルート

八王子24:40⇒(ムーンライト信州81号)⇒

 

八王子に24:20に集合する。古川さん率いるもう1パーティーが中止とのことで残念に思うが、指定席はキャンセルしないので使えるとのことなので、彼らの席の分まで利用できて快適であった。有難うございます。

 

 

5/3(木)

天 候

快晴

ルート

⇒白馬⇒(タクシー)⇒猿倉6:439:23小日向のコル9:431450m付近11:2011:45樺平手前のピーク12:0012:05樺平

 

白馬駅からは予約していたタクシーで猿倉に向かう。初めは霧に煙っていたが、霧が晴れると素晴らしい好天が待っていた。白馬の白銀の峰々が眩しい。

猿倉の小屋の前で身支度をして出発する。多くのパーティーと前後して歩く。山スキーヤーの姿も多い。小日向のコルの手前の急登から大塚さんのペースが上がらず、途中でピッチを切る。小日向のコルで大休止。

ここから双子尾根に取り付く。所々、雪が無くて潅木に捕まりながら進まなければならないところが少し厄介に思うが、それ以外は雪稜を淡々と登る。あと100mも登れば樺平というところで、ピッチの上がらなかった大塚さんから下山の申し入れがある。まだ余力はあるということで、一人でそのまま下山してもらうこととなった。

樺平手前のピークで携帯の電波が入ったので、西さんが緊急連絡先の中野さんに大塚さん下山の旨を伝える。電波が届けば携帯は山でも便利だ。樺平は噂どおりの広々とした快適なテン場。少々早いがこの先に適地も無いはずなので、ここで幕営とする。

我々より少し先行していたパーティーは、樺平を越してそのまま奥双子のコル先の岩峰手前まで登っていった。今日中にどこまで行くつもりだろうか、と思っていると、引き返してきた。やはり良いテン場が見つからなかったのだろう。結局、我々より少しだけ高いところまで下ってきていた。

樺平周辺には、我々のほかに4パーティーが幕営したのが確認できたが、樺の木の周りにテントを張ったのは我々だけであった。コルの風の強さを避けたのだろうか。結局、夜は、我々のテントは結構風に煽られた。

 

猿倉台地から杓子岳を望む

 

双子尾根を見上げる

 

樺平

 

 

5/4(金)

天 候

快晴

ルート

樺平5:05→岩峰5:586:30ジャンクションピーク6:507:30杓子岳7:409:20白馬山荘10:0010:15白馬岳10:20→小蓮華岳11:4513:00白馬大池

 

3時に起床。この日も絶好の好天。

ひたすら急な登りが続くが、踏み跡バッチリでアイゼンも良く効くので、ピッチも上がる。奥双子のコルを越えた核心部の岩場はフィックスロープが露出していたが、雪の量が多いようで、岩場の左側から巻き気味に雪の上を簡単に登る。そのまま休憩無しでジャンクションピーク(JP)まで進む。ここに立派な要塞のようにブロックを積んだテント場跡があり、その中でゆっくりと周りの景色を堪能しながら休憩する。振り返ると、続々と後続のパーティーが登ってくる。なかなか人気がある尾根のようだ。ここから杓子岳山頂は、まだ遠く高く見える。気合を入れて出発。ジャンクションピーク付近は緩やかとはいえ、ナイフリッジが続く。その先は胸を突く急登になる。足を滑らせたら大変なことになりそうだが、雪がしまっているしトレースもしっかりしているので不安は無い。ぐんぐん高度を稼いでいく。頂上直下は5mほどの雪壁。ここを登ると、杓子岳山頂に飛び出る。互いに握手を交わす。

杓子岳山頂は、西からの強風が吹き荒れている。風が無かった双子尾根とは対照的だ。ここから、白馬岳に向かう。アイゼンの爪を効かせながら、西側の急斜面を下っていく。ここからは一般ルートで、それほど遠くない距離に白馬岳が見えてもいるので、気も逸るが、強風下で200m下ってからの300mの登り返しは結構疲れる。白馬山荘でコーヒーやラーメンを頼んで一休みする。

白馬山荘を出発して、白馬岳山頂を目指す。次々と人が登降していて、人気のほどが分かる。山頂で360度のパノラマを楽しんだ後、白馬大池を目指して出発する。ここは2年前にも歩いたルートだが、雪は明らかに多い。途中で、携帯電話で大塚さんが無事に下ったことを確認して、皆、一安心する。小蓮華岳を越えると、山スキーヤーの姿が目立つ。どこを滑るのだろうか。白馬岳から我々と前後していたパーティーは、途中から名も無い尾根を猿倉方面の斜面を下っていった。雪がべったりついているので、傾斜が緩いところを選べばどこからでも下れそうだ。私はてっきり夏道どおり白馬大池を半周して、山荘のそばで幕営かと思っていたが、西さんによれば、大池の南側をショートカットするとのこと。雪山ならではの近道だ。大池手前のピーク(船越ノ頭)から標高差200m近い雪の大斜面を快適に下っていく。平井さんはスコップでシリセードを楽しんでいた。

白馬大池の南側で幕営する。平らで快適なテン場であった。

 

 

JPから展望(白馬岳方面を望む)

フィックスロープがかかる岩場

 

JPから双子尾根を振り返る

 

JPから杓子岳を見上げる

 

杓子岳への登り

 

頂上直下の雪壁を登る西さん

 

白馬岳から杓子、白馬鑓を振り返る

 

 

5/5(土)

天 候

快晴

ルート

白馬大池5:405:55白馬乗鞍岳→天狗原6:206:50林道7:007:40栂の森⇒(ゴンドラリフト)⇒栂池高原

 

さっさと下って、下でゆっくりしようという事で、4時に起床する。白馬乗鞍岳までは、トレースを適当にたどって登っていく。広々とした山頂は霧でも出ると迷い易いが、今日も雲ひとつ無い快晴なので、全く問題ない。これで登りは終わり、あとは雪の斜面を下るだけである。天狗原を目指して、雪の大斜面をそれぞれ、思い思いに下っていく。栂池へも、雪の斜面を楽しみながら下っていく。早朝の雪面は固いので、スコップのシリセードはお尻が痛くなった。林道まで下って一服する。

西さんから林道をショートカットできる道があるとのことで、林道を外れて沢沿いに進むことにするが、平井さんは無難に林道を進む、と言って分かれる。沢沿いルートは、このまま進むとリフトの駅とは違うところに出てしまいそうだったので、途中で軌道修正して尾根上を進む。途中からトレースを辿りながら、また沢沿いを進んだりしてリフトの栂の森駅に到着。途中、水芭蕉が咲いていたりしていて、思わぬ儲けものであった。

予定よりも早く着いたので、まだリフトは営業開始前。8時過ぎになって営業開始したので、乗り込んで、あっという間に栂池高原まで下る。栂の湯に入りたかったが、営業開始が10時なので、タクシーで白馬駅まで出ることにする。白馬駅近くの温泉も10時からとのことで、温泉はパスしてそのまま帰宅した。


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白馬乗鞍岳の雪の大斜面

 

水芭蕉が咲く